今まで楽器をやったことがない人にとって、フルートがどのくらい難しい楽器なのか気になりますよね。また、フルート初心者さんが最初につまずくのはどんなことかな?と気になっている方はいませんか?
元自衛隊音楽隊フルート奏者が「フルートの難易度」と「フルート初心者さんがつまずくポイント」をわかりやすく動画をふまえて徹底解説します。
この動画を見れば、「自分がどんなとこでつまずいているのか」また「音を出すコツ」がわかるようになります!ぜひ最後までご覧ください。
フルートの難易度は?
「フルートをやってみたいけど、どのくらいの難易度かわからない」という方にわかりやすく解説していきます。メジャーな木管楽器であるフルート・サックス・クラリネットの3種類の楽器を難易度順に紹介します。
【第3位 サックス】
難易度:初〜中程度
理由:初心者さんでも音を出しやすく、すぐに音楽を楽しむことができます。ただし、音程の調整や音色の豊かさを追求する段階では、より高度な技術が必要になります。
私が中学生の時、吹奏楽部の体験入部で楽器を何種類か吹いたのですが、サックスが1番簡単でした。初心者の私でもすぐに音が出るようになり、運指もリコーダーと似ていて、すぐに簡単な曲を吹くことができました。
【第2位 フルート】
難易度:中程度
理由:フルートは正確な息の流れと口の形(アンブシュア)ができていないと音がでません。また、息を吹き込む「歌口」にピンポイントで息を入れることができないと、全ての息が漏れてしまいます。初心者さんはピンポイントで「歌口」に息を入れることができず、ありったけの息を出してしまい酸欠になってしまうこともあります。この段階で、フルートを吹くのを諦めてしまう方も多いと思います。しかし、音が出るようになると安定した演奏ができるようになります。フルートは広い音域を持っているため、高音になるほど息のコントロールが難しくなります。
【第1位 クラリネット】
難易度:高め
理由:クラリネットは息の入れ方やアンブシュア(口の形)が非常に重要で、低音から高音への切り替え(音の移動)がスムーズにできるようになるまで時間がかかります。また、クラリネットは音程を安定させるのが難しいため、初心者さんにとっては難易度が高いです。
フルート初心者さんがつまずくポイント
フルート初心者さんがつまずくポイントは大きく2つあります。
音を出す段階でつまずく
①アンブシュア(口の形)
初心者さんは、口元を緊張させすぎたり、逆に緩めすぎたりすることがあります。適切なアンブシュアができていないと、空気の流れが不安定になり、音が出づらくなってしまいます。また、下唇にフルートをしっかりと当てられていなかったり、口が開きすぎてしまうことがあります。
【口元が緊張しているver.】
【口元が緩んでいるver.】
【正しいアンブシュアver.】
②息の使い方
初心者さんは、息を吹き込む力加減が難しいと感じてしまいます。あまりにも弱い息だと音が薄っぺらくなってしまい、逆に強すぎる息は「ブーッ」という音や無駄な空気を多く出すことになり、音がまとまりません。
【弱い息で音が薄いver.】
【強い息で無駄な音が出るver.】
③息の方向
フルートは、息を吹き込む角度が非常に重要です。初心者さんはしばしば息を「歌口」に吹き込みすぎたり、逆に外側に逃してしまうことがあります。これでは音が出ません。正しい角度で息を出すことが重要です。
【息が吹き込む角度が外側ver.】
【息を吹き込む角度が内側ver.】
【息を吹き込む角度が自分に合った正しい方向ver.】
④息の強さ
息の強さが安定しないと、音が途切れたり、高音が出しにくくなったりします。初心者さんは強すぎる息や弱すぎる息を交互に使い、音を一定に出せないことがあります。
【息の強さが安定していないver.】
初心者さんは、「口元が力みすぎたり、緩すぎたりするアンブシュアの不安定さ」や「適切な息の強さや方向がわからないこと」があります。これらを揃えないと安定した音が出せないという点が初心者さんがフルートを演奏する上で、難しいと感じる理由の1つです。
運指がややこしい
①音域による運指の違い
フルートは低音域から高音域にかけて運指が異なります。同じ指の動きでも、吹き込む息の強さや方向で異なる音域を出す必要があり、初心者さんにとってそのコントロールは難しいです。
②同じ運指で異なる音が出る
フルートの特性として、同じ運指でも息の強弱やアンブシュアの調整により異なる音を出すことがあります。例えば、オクターブの切り替えには同じ運指を使用するにも関わらず、息のコントロールを大きく変える必要があります。初心者さんはこの違いを体感して操作することが難しいです。
【同じ運指で異なる音が出る】
https://youtu.be/C_rJ9IL2gJI
③指の動きのスピード
フルートはメロディーを演奏することが多いですが、それと同じくらい指を早く動かすパッセージがでてきます。音を素早くかえる際には、指の正確かつ迅速な動きが必要です。速く指を動かす際に注意するのが、全てのキーの動きを一致させないといけないことです。全てのキーの動きが一致しないと音は出ません。
初心者さんは、音域ごとに異なる運指や、同じ運指で異なる音を出す必要性、指のスピードと正確さを同時に求められる点に苦労します。これらは経験と練習で徐々に克服できるスキルですが、最初のうちは混乱するポイントです。
まとめ
フルートは他の木管楽器であるサックスやクラリネットと比べると難易度は中程度になります。初めて音を出す時に、アンブシュアや息の方向など気をつけることがたくさんあります。頭ではわかっていても思うようにできず、音を出すことができないまま諦めてしまう方もおられます。しかし、「音を出す」ことさえできれば安定した音を継続して出すことができます。そして、フルートの美しい音色で表現力をつけることができます。諦めずにぜひ頑張ってみてください!
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