【初心者さん必見】フルートの材質について元自衛隊音楽隊フルート奏者が徹底解説!

フルート豆知識
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フルートの材質にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる音色や吹き心地に影響を与えます。代表的なフルートの材質は洋銀・銀製・金製・プラチナ製・木製の5種類です。材質によって価格も大きく変わります。
私は、洋銀・銀製・金製のフルートを持っているので、実際に使ってみて感じたことやメリット・デメリットについて解説していきます!

洋銀製(ニッケルシルバー)

価格帯:約5万円〜15万円

洋銀製は、銅・亜鉛・ニッケルから構成されていて、銀の見た目ですが実際には銀は全く含まれていません。フルートに使用される材質としては最も軽い金属です。洋銀製は、初めてフルートを始める方には非常に良いですが、上達とともに音色や表現の幅を求める際には、他の素材のフルートが候補となることが多いです。

メリット

◎洋銀製は金属の中でも硬度が高く、傷つきにくく頑丈。

◎洋銀製フルートは銀製や金製、プラチナ製のフルートに比べて非常に安価。

◎初心者さんでも安定した音が出しやすいため、フルートの基礎を学ぶには最適。

デメリット

◎深く暖かみのある音色を出すには限界がある。

◎音量の調整が難しく、表現力に限界がある。

◎プロフェッショナルのフルートとしてはやや物足りない。

銀製(スターリングシルバー)

価格帯:約15万円〜100万円以上

銀製のフルートは銀だけで加工するのは難しいため、他の素材も混ざっています。銀の量が多いほど多いほど、豊かな音色を出すことができます。中級者から上級者向けのフルートに多く使用され、多くの演奏者に好まれています。
管全体が銀製の場合もあれば、頭部管や胴部管のみが銀製のモデルもあります。私が中学生の時に買ったフルートは、サンキョウの頭部管だけ銀製のものを購入しました。頭部管のみ銀が使われているのでとても軽く、歩きながら演奏するマーチングなどでも使用していました。

【↑サンキョウ 頭部管のみ銀製】


高校生になると、サンキョウのフルートが物足りなくなり、パウエルの総銀製のフルートを購入しました。

【↑パウエル 総銀製】

中学時代に使っていたサンキョウのフルートと比べると、まるで全く違う楽器かのように感じるほど吹きにくさを感じました。新しい総銀製のフルートを吹きこなすのには時間がかかりました。しかし、練習を重ねるとその分しっかりと音がなるようになりました。今まで使っていたサンキョウの頭部管のみ銀製のフルートでは出すことができなかった、あたたかみのある深い音色を出すことができました。
総銀製のフルートを購入する時は、フルートの基礎がしっかり身につき、音色や表現力をさらに追求したいと思った時が適しています。

メリット

◎明るく透明感のある音色が特徴で、柔らかさと豊かさを兼ね備えている。


◎音の変化をつけやすく、さまざまなジャンルに対応できる。

デメリット

◎表面に硫化銀が付着して黒ずみやすい。


◎銀製フルートは豊かな音色を持っているが、金製やプラチナ製のような力強さや音量を出すのは難しい。


◎初心者さんは音量や音程のコントロールが難しい。

金製

価格帯:約150万円〜500万円以上

金製のフルートは、金・銀・銅が配合されています。その配合の割合によって、金の重量が変わってきます。主に、K9・K14・K18・K24の金製のフルートがあり、金の純度が多くなると音の強さが増します。金製のフルートを吹きこなすにはパワーが必要です。
私は大学3回生の時に、パウエルのAll 10K Gold を購入しました。

【パウエル All 10 K 】

洋銀から総銀に買い替えたときと同じく、総銀と金製では吹き心地が全く違いました。吹きこなすには、とにかくパワーが必要でフルート全体を響かせるのに苦労しました。

メリット

◎豊かで深みのある音色。


◎金は酸化しにくく、見た目や音質の劣化が少ない。


◎大音量を出すことができ、ホールの演奏時には豊かに響き渡る。

デメリット

◎非常に高価。


◎洋銀製や銀製に比べて金は重たいため、長時間の演奏では疲れやすい。


◎初心者には音のコントロールが難しい。

プラチナ製

価格帯:約500万円以上

プラチナ製のフルートは非常に珍しく高価な楽器で、プロのフルート奏者やソリストに人気があります。金属としてのプラチナは非常に密度が高く、独特な響きと力強い音色を生み出します。他の楽器と比べて加工が難しいため、プラチナ製フルートは特別な音楽表現や響きを求める演奏者が選ぶことが多いです。

メリット

◎音の輪郭がはっきりしていて、力強くクリアな音色。


◎長年使っても腐食や変色が少なく、美しい輝きを保ちやすい。


◎音色に独特なエッジがあり、他の材質にはない個性的な響きが魅力。

デメリット

◎プラチナは非常に高価な素材であり加工も難しいため、数百万円以上する。


◎銀製や金製にフルートに比べてかなり重たい。


◎音のコントロールが難しいため初心者さんには向かない。

木製

価格帯:約30万円〜200万円

木製フルートは、主にクラシック音楽や古典(バロック音楽など)で使用される伝統的な楽器です。モダンな金属製フルートと異なり、木の温かみある音色と古典的な響きを生み出すのが特徴です。

メリット

◎木独特の自然で柔らかい音色。


◎木は響きの幅が広く、微妙なニュアンスを表現するのに優れている。


◎金属製に比べて音量が抑えられるため、繊細な演奏ができる。

デメリット

◎木材は湿気や温度変化に敏感で、長期間使用することでひび割れや変形が生じる可能性がある。

◎金属製フルートほど音が出ないため、大きなホールやオーケストラでの使用には適していない。

◎温度や湿度の影響を受けやすく、音程や音色が安定しにくい場合がある。

◎高品質な木材を使ったフルートは制作に時間がかかり、価格が高め。

まとめ

それぞれの材質は、音色や価格、扱いやすさに大きな違いがあり、用途や演奏スタイルに応じて最適な選択肢が異なります。初心者には洋銀製が向いている一方、プロフェッショナルには金製やプラチナ製が、古典音楽には木製フルートが好まれるなど、材質によって奏者の表現や演奏環境に合わせた幅広い選択肢があります。



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